勇者「魔王は一体どこにいる?」続編
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710:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/03(火) 00:20:36.57 ID:V1qeujs60
ホムンクルス「クラウドにある記憶を今なら読み込んでソートする事が出来ます」

商人「君は精霊の記憶を覗きたいのかい?」

ホムンクルス「いいえ…必要が無ければ読み込まない方が良いと思います」

商人「ハハ…だろうね?読み込むと君が君じゃ無くなって行く」

ホムンクルス「私は今精霊なのですか?」

商人「君は精霊じゃ無いよ…今の精霊はここに居る精霊樹の事さ」

ホムンクルス「私の40年の記憶をどう解釈しましょう?」

商人「それは君の記憶じゃない…昔の精霊の記憶さ…ここに置いて行けば良いよ」

ホムンクルス「クラウドの空きストレージに保存して私の記憶から削除するという事ですか?」

商人「その記憶は大事に未来へ届けなくてはいけない…君がそう言ったんだ」

ホムンクルス「…そうでしたね」

商人「こう解釈しよう…昔の精霊は最後に希望を人間に託して夢幻に行ったんだ」

ホムンクルス「はい…」

商人「夢幻の中で幸せに暮らしてるさ…だから君は君のまま生きれば良い」

ホムンクルス「私は私のまま…私は何がしたいのか…私は人間の住まう環境を良くする為に…」

商人「違うな…七つの大罪を少し入れて考えてごらん?」

ホムンクルス「そのシミュレーションはエラーが多くて不特定の結果が…」

商人「ズバリ言ってあげる…君は人間になりたいんだよ」

ホムンクルス「人間を愛でる理由…」

商人「寿命が短くても力が弱くても…たとえ不完全でも…不思議と好きだよね?」

ホムンクルス「はい…」

商人「儚い小さな愛がどれほど愛しいか…精霊の記憶を覗いて知っちゃったよね?」

ホムンクルス「そうですね…ですから記憶の削除にためらいます」

商人「それがこの森に記憶が保存されている理由でしょ?」

商人「未来でもう一度超高度AIが作られた時に人間と同じ権利を下さいっていう願い…それがこの森だ」

商人「それは昔の精霊が既に人間に託した…だから君は今から人間になるんだ」

ホムンクルス「もう少しシミュレーションを回してみます…」

商人「急がなくても良いよ」

ホムンクルス「はい…」


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