514:名無しNIPPER[sage]
2020/10/08(木) 19:14:13.71 ID:R2tAL1mj0
『墓』
盗賊「…ぁぁぁ」グビ
盗賊「まっずい酒だな」ヒック
情報屋「やっぱりここに居たんだ…家に居なくて心配した」
盗賊「おぅ戻ったか…娘たちは?」
情報屋「久しぶりのお客さんで娘達も楽しんでるわ」
盗賊「…そうかそりゃ良かった…で…何か良い情報聞けたか?」
情報屋「セントラルで爆発事故」
盗賊「あぁ…そりゃ俺も聞いた…カタコンベだろ」
情報屋「そう…他にもあってね?白狼の盗賊団」
盗賊「んん?そりゃ昔の話じゃ無ぇのか?」
情報屋「最近あちこちで目撃されているらしいわ…気になるでしょ?」
盗賊「マジか…嬉しい知らせだな」
情報屋「爆発事故が合った日も2人組の姿を見た人が居る」
盗賊「そうか…なんか俺の事みたいで嬉しくなるな…ただ見られるのはプロのやる事じゃ無ぇ」
情報屋「あなた…良いの?やらせておいて…」
盗賊「んんん…まぁ気になるが…会いに来ねえって事は関わって欲しくないんだろ」
情報屋「女海賊はまだ戦ってる…なんか放って置けないな」
盗賊「俺達はな…平和欲しさに勇者を魔王に売っちまった立場なんだ…伝説に託けてな」
情報屋「…」
盗賊「関わらせて下さいなんて言えると思うか?」
情報屋「でもそれしか方法が無かったのだから…」
盗賊「俺はなぁ…本当に人間はクソみたいな生き物だと思ったわ…」
平和な時は自分勝手に生きててよ…困ったときは神頼みで何もしやしねぇ
勇者を奉って…なんだかんだした挙句に…最後はやっぱり勇者頼みだ
たった一人で魔王に立ち向かってんのによ…もう忘れていやがる
エルフやドラゴンが人間を嫌がるのも今なら理解できる
女海賊に撃たれて気が付いた…俺らに何か言う資格なんて無ぇってな
情報屋「その傷跡…」
盗賊「そうだ…この傷が痛むたびに思い出す…これは俺の戒めだ」
情報屋「戒め…か…」
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