432:名無しNIPPER[sage]
2020/09/26(土) 12:35:10.42 ID:JyBdSu8i0
商人「ホムンルクス…この勇者の像を見てどう思うか君の考えが聞きたい」
ホムンルクス「はい…石の性状からして石化後のホムンルクスに間違いないと思われます」
220年前に精霊が子を産んだ履歴から勘案しても
この石造が精霊の子であった可能性は高いと思われます
次に、先日のシン・リーンの書庫での記録ですが
過去の伝説や叙事詩などあらゆる文献において
勇者は魔王を退けたとありますが
その後の勇者の消息を記した記述は一つもありませんでした
つまり、この勇者の像の様に
魔王への生贄として最後を迎えた可能性が高いと思われます
商人「生贄…まさか…」
ホムンルクス「シミュレーションの結果で可能性は40%です」
商人「ならどうして精霊は自らの子を生贄として捧げたのかが謎になる」
ホムンルクス「いくつかの可能性はありますが…最も可能性が高いのは精霊の子自ら生贄となったという可能性です」
商人「…そうか誰かを救うために自分が犠牲になる…そういう事か」
ホムンルクス「私の意見はあなたの考えと一致していますか?」
商人「そうだね…概ね合ってる…もしかしてこれは僕が聞きたいであろう意見を言ってる?」
ホムンルクス「はい…」
商人「…それならホムンルクスが工学三原則を破った可能性は?」
ホムンルクス「100%です」
商人「ハハ…ハ…まぁそうだろうね」
ホムンルクス「私はお役に立てているでしょうか?」
商人「こう…僕の考えの先を行かれると…困ったね」
ホムンルクス「困らせてしまいましたか…」
商人「いや…良いんだ…こう仮説がピタリピタリと当たってしまうとこの先が怖いんだ」
ホムンルクス「剣士の事ですね?」
商人「君は鋭いね…僕はこの勇者の像を剣士に見せられない」
ホムンルクス「彼はもう気付いて居ると思います」
商人「どうして?」
ホムンルクス「彼が無口な理由は結末を知っているから…」
商人「どうして君に分かる?」
ホムンルクス「夢幻の記憶で大事な部分を私は記録しました…彼はそこに居ました」
商人「え!?」
ホムンルクス「どうやって魔王を退けるのか彼は知っている…それが夢幻からの精霊の導き」
商人「どうやって退けるかって…」
ホムンルクス「…」
商人「生贄なのか…」
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