183: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/24(木) 21:43:49.22 ID:itU6iUE10
ちひろさんと共同生活をするようになって八か月、少しだけルーティーンが軌道に乗ってきていた。
「ただいま戻りました」
事務所に戻ってくる。スタッフが「お帰りなさい」と声をかけてくれる。
いつも変わらないこと雰囲気が、私に安心を与えてくれる。そして。
「お帰りなさい。待ってました」
ちひろさんが、声をかけてきた。
「あら。なにかありました?」
「ええ、ありました。実は」
ちひろさんから打ち明けられた内容に、私は驚く。そして、体の力が抜けていくのを感じた。
「Pさんのお姉さんから、電話があって……楓さんに、お話があると」
なぜ、今。ああ。
気が付けば、彼が亡くなってから二年が経とうとしている。三回忌。
時が過ぎるのは、早いのか、それとも。
遅いのか。
―― ※ ――
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