52:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 00:50:36.60 ID:EGkFzpej0
「そんな」
振り向いた先にはいたのは確かに魔王だった。
「封印の影響じゃなかったの」
「ほう、そこまで見抜いていたか。いや確かに影響『も』あったぞ」
「きゃあああ!」
魔法すら使わない蹴りで私の身体が地面を転がる。
「身代わり、ね」
魔王の答えで予想が確信に変わる。私たちが今まで相対していたのは本体ではなく、分身。
だからそれを封印しても私の命はつきないし、魔王もこうして平然としている。
「そうだ。こんな状況で不用意に天敵の前に身を晒すのは何があるか分からんからのう」
目論み通り行ったことに愉快そうに魔王が笑う。
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