小宮果穂「クズミさんがゴミを捨て」
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6: ◆eodXldT6W6[saga]
2020/09/06(日) 07:27:58.63 ID:sPru/fk9O

久住「果穂ちゃん、ドーナツ食べる?」

果穂「いいんですか!?」

久住「ええよ、ええ曲教えてくれたお礼」


 紙袋のなかのドーナツはカラフルでとても目を引いた。ストロベリーミルクのピンク、抹茶の濃い緑、チョコレートとホワイトチョコレート、サクサクしていそうな狐色のオールドファッション、スプリンクルがまぶされたおいしそうなドーナツたち。果穂の目は輝き、どれを選ぼうか本気で迷った。ついに果穂がどれにするかを決めドーナツに手を伸ばしたそのとき、久住は紙袋を持った手を引っ込めた。


久住「あ、あかん。知らん人からもの貰うんはよくないわ」

果穂「えーっ」

久住「ごめんなー。てかこのシュチュエーションもあかんな。子どもが知らん人とふたりきりってのは通報もんやで」

果穂「でも、お兄さんは悪い人に見えないです」

久住「果穂ちゃん、おれが悪い人やないってなんで分かるん?」


 久住は笑いながら言った。声はそれまでとまったく変わっていなかった。変わっていなかったにもかかわらず、果穂はさっきまでと同じように久住と話すことができないと唐突に悟った。




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