42:emanon
2020/09/02(水) 10:41:47.25 ID:+qXnnrD90
先生「……。一体、何を言い出すんですか、君は?」
馬子「本当は心臓移植なんてしてない。そうでしょう? 心臓の病気を患う少年、症状が悪化し移植が必要になる。偶然にも隣のベッドの女性が適合者。心臓移植は成功し、ハッピーエンド。…そんな偶然なんて、この世にはないのよ」
先生「…何が言いたいんですか?」
馬子「秋野茜の精神状態は不安定で、薬物乱用の恐れがあった。危険な薬物を飲んだ場合、それを吐き出させるための薬がある。イペカック、催吐剤(さいとざい)。延髄(えんずい)の嘔吐中枢(おうとちゅうすう)を刺激することにより催吐作用を発揮する薬。しかし、この薬は誤用すると危険だ。筋肉損傷を招き、缶コーヒーすら簡単に開けられなくなる。そして、ついには心不全を引き起こす。
…田口先生、秋野茜に与える筈の薬を、誤って彼に与えてしまったのでは?」
先生「なるほど、病院側のミスによって、心臓移植が必要になったとでも言うつもりですか?馬鹿馬鹿しい。そもそもイペカックは一度誤って服用したからといって、心臓疾患にまで及ぶような危険な薬ではないですよ」
馬子「ええ。でも元々心臓の弱かった彼の病気を進める形となってしまった。…薬の投与だけで済む筈だったが、ここに来て手術の必要性がでてきてしまう、が、移植に至るまでではない。だが容易に心臓の手術は行えない。理由が必要だ。まさか病院側のミスで手術させて下さい、なんて、口が裂けても言えない。そんな失態が広まれば病院の評判はガタ落ちだ。どうしようか。どうしようか。ああ、そうだ、彼の隣のベッドにいる秋野茜は、もう心身ともにボロボロで回復する見込みがない。秋野茜の心臓を彼に移植する事を理由に手術を行えば、このミスを誤魔化す事ができる。どのみち秋野茜の寿命は長くはない。もって二ヶ月といったところだろう。死期が多少早まったところで問題はない。彼女を早めに脳死状態にさせれば問題は解決する、どの道 すぐに死ぬ人間だから。あなたは秋野茜を、薬で脳死状態にさせ、ころした」
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