35:emanon
2020/09/02(水) 00:04:55.08 ID:Ind2CwOR0
馬子「…そう。じゃあ聞くわ。ドナー提供者の名前は、秋野じゃないかしら?」
先生「…ほう」
僕「…馬子さん、っ、どういう事ですか?いや、どうして秋野の名前がここで出てくるんですか?」
馬子「確証は無かった。けれど、ずっと秋野千波が、今回の一連の出来事に対して詳しい事に疑問を感じていた。君の病気の事についても知っている。不眠症の事についても知っている。幻覚の少女の正体も知っているだろう。今回の依頼も君からではなく、秋野千波から依頼して来た事にも違和感を覚えた。君の心臓の手術の事も知っていたよね。手術の内容が心臓移植だという事も恐らく知っていた。そして停電の事も知っていた。だが、同時期に負ったであろう右手の後遺症については知らなかった。右手の後遺症は、君の言う通り病院の手術の影響で負ってしまった軽い後遺症だ。けれど秋野千波は知らない。まるで真ん中が抜けたドーナツのように、物語の大筋は理解しているが、中心となる出来事は知らない。恐らく、その瞬間、ここに居なかったからだ」
僕「秋野が、僕の心臓移植の相手だと言うんですか、そんな、馬鹿な…。彼女は生きています、心臓移植は、馬子さんが言う通り、脳死状態の患者にしか適応されない。生きている人間には」
馬子「じゃあ彼女の兄弟は?姉妹は?」
僕「いや、そんなっ、」
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