高坂桐乃「黒猫とより戻したら?」高坂京介「は?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/22(土) 21:41:50.91 ID:h16Rbuf2O
「ま、どうでもいいけど」

憤慨する俺はつまらなそうに横目で見やってから桐乃は再びゲーム画面へと視線を戻す。
その端正に整った横顔を眺めながら尋ねた。

「お前はどうなの?」

聞いてからの後悔はあまりなかった。
今日のような桐乃とのひとときは確かに俺にとってかけがえのないもので、出来ればこの先ずっとこうして過ごしたいという気持ちもあるが、同時にそれは不可能だとも思う。

「………………………」

桐乃は無言だった。しかし、無視ではない。
ゲーム画面が進んでいないので考えている。
その聡明な頭脳が導き出す結論が気になる。

「ふぅ……」

ため息を吐いてパタンとノートPCを閉じる。
そのまま自分の部屋に戻るのかと思いきや、桐乃は瞑目したまま、小さく呟いた。

「"出来ない兄貴"を持つと苦労する」
「……悪かったな、出来ない兄貴で」

憎まれ口につい恨み言を返すと、首を振り。

「キスしたくてもアンタとは出来ない」
「桐乃、お前……」
「"出来ない"ってのは、そういう意味」

思わず目を見張ると妹は目を閉じたままこちらに顔を向けてきた。ごくりと生唾を飲む。


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