88: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/09/09(水) 02:29:18.60 ID:2LXOD4WP0
ーーー執務室ーーー
所長「そうか、見つけたか」
『あぁ、火を焚いた跡がな。後始末はしてったみたいだが、雑もいいところ』
所長「飼育島に降りていたとはね。なんと面白い皮肉じゃないか」
所長「逃げた方角は?」
『そこまでは分からない。離れてから1時間も経ってないだろうが』
所長「分かった、捜索範囲を絞ろう。近隣諸島に人員を割り振る。詳細は追って伝えるが、散開している者も合流させる」
所長「それまでは引き続き島内を捜せ」
『了解』
所長「繰り返すが、アレを捕縛する際は速やかかつ確実に無力化しろ。抵抗が激化するようなら出直すんだ」
『殺さなきゃいいんだよな?』
所長「そうだ。何をしてもいい。場合によっては民間人の数人、被害が出ようと構わん」
秘書「……」
所長「発見したらすぐに知らせろ。以上だ」ピッ
秘書「飼育島ですか」
所長「恐らくもう居ないだろうな」
所長「アレの合成実験だけは唯一、島の動物を用いずに行ったのだがね。それでもあの島に引き寄せられたのはただの偶然か、身に刻まれた宿命か」
秘書「……民間人への犠牲ですが……」
所長「気がかりかね?数人程度であれば揉み消すのは容易い」
秘書「大衆に目撃されてしまうと厄介かと」
所長「多少の無茶は必要だね。その時は君にも動いてもらう」
秘書「それは、少々危険ではありませんか?事を収められても所長への足が付いてしまう可能性があります」
秘書「最悪の場合、彼女の処分も視野に入れておかれた方がよろし――」
所長「秘書君」
秘書「っ、はい」
所長「足が付く、とは何たる言い草だ」
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