中野攻「墓碑のような夜のビルの前に花束が」 【亜人SS】
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4: ◆8zklXZsAwY[saga]
2020/08/16(日) 22:08:59.67 ID:FGITa5EtO

 おれもだけど、と言ってマサさんは笑った。

 マサさんは選挙についてそれ以上言わず、弁当を食い終わった後、クーラーの効いてる食堂でいつものように昼寝しだした。おれは自販機にコーラを買いに行った。自販機のすぐ横のゴミ箱のそのすぐ横には灰皿が置いてあって、昼飯が終わってからすぐに昼寝しない人らはここでタバコを吸っていた。この日はここに四人いて、作業服がきれいな事務所の人と現場の人間が半分ずつだった。


「あっちぃねー」


 白髪でメガネの浅野さんが言った。


「やべぇっすね」

「三十五度超えるって」


 最近、転職してきた中村さんがコーヒーを飲んでからタバコにまた火をつけた。二歳の男の子がいて、家ではなかなか吸えないらしい。


「うわ、おれも事務所行きてえ」

「ダメダメ、コウちゃんいないと現場まわんないじゃん」

「ならクーラーくださいよ。スポットクーラーでいいから」

「そういや浅野さん、今日届くんですよね?」

「そうだ、届いてた、届いてた。コウちゃん、悪いけど昼終わったら運ぶの手伝ってくれる?」

「いいっすよ」


 そう言ってから、おれはコーラをぐいっとあおった。炭酸が喉にきつかったけど、むせるまえに全部飲み干せた。缶をゴミ箱に捨てる。缶についてた水滴が手に残ったので作業ズボンの尻で拭った。クーラーの効いてる事務所に戻ろうとして、おれはふと思い出したことを訊いてみた。


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