【艦これ】大井と一夜を過ごすだけの話
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9: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/15(土) 10:58:52.58 ID:NLZLtzJb0

 まったく、なんて心配性か。思い込みが激しすぎる。現実がまるで見えていない。そんなはずないだろう。在り得ない。脳がオカルトに浸食されてしまっている。
 いくら今日が象徴的な日だからといって、全てが幻として消えてしまうはずもなかろうに。
 終戦記念日を過ぎたから、全ての戦いが気づけば終わっているだなんてのは、非論理的にもほどがある。

「……まぁ、でもなぁ」

 あんな顔をされちゃあ、なぁ。
 俺にだって人の心というものは十分残っているのだから。

 怖いのだという。
 死が、ではない。戦って死ぬことは本望でこそないけれど、艦娘という身に生まれ直したのは、それを覚悟の上でである。
 全てが夢で、幻で、終戦記念日を境にありとあらゆるものが形を失ってしまうのではないかと、床に就いて次に眼を覚ました時、仲間は隣におらず、自分は全然別の自分で――そんな益体のない考えが頭から消えていかないのだと。

 嘗て、大井はそう言った。




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