727: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/29(火) 21:45:21.99 ID:Dh94pGk20
宝石が砕かれようとした瞬間、俺は力尽くでそれを奪う。そして叫んだ。
「デボラッッ!!!『時間遡行』を!!!」
「えっ!!?」
「今なら間に合う!!余力は!?」
「ほとんどないけど……」
俺はクロエとブランを見た。
「今から治療をやるっ!!今から来る亜人の女に、体力回復の治癒魔法を!!あとはあいつが何とかするッッッ!!」
「え」
「いいからすぐにだ!!できるんだろ、強力な治癒(ヤツ)!」
そうだ。シェイドの様子からして、あいつの体力を回復させたのはこいつらのうちのどちらかだ。
なら、その力を借りれば……デボラの魔力を回復させれば、「時間遡行」で「干からびる前の」カルロスに戻すことは、多分できる!
一瞬呆気に取られていたクロエが「ああ」と呟いた。
「あれは魔法じゃないわ。薬を霧状にして、ついでに眠らせただけよ。寝ないと体力は戻らないから。でも、お望みとあらば……」
彼女は一瞬のうちに、赤い甲冑姿になった。そして何か操作すると立て続けにデボラとカルロスに霧を放つ。
「あ……か……」
「デボラさんっ!!?」
崩れ落ちるデボラを、プルミエールが支えた。カルロスもまた、ガクッと首が横に倒れる。
「とりあえずお望み通りにね。ここじゃ目立つから、少し場所を移動しましょうか」
761Res/689.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20