645: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/08(火) 22:04:33.86 ID:NFy1JhCKO
アヴァロンに向けて走り出す。その直後、後方から気配を感じた。
ビシイッッッッ!!!
脚を薙ぐような触手。ボクはそれをすんでの所で跳んで避ける。「主人」のアヴァロンには近付けさせない、というわけか。
だけど、もうすぐ間合いだ。あと一歩踏み込めば……
アヴァロンがニィと笑った気がした。
寒気を感じ、ボクはデボラさんたちの方に退いた。
「限界突破」を解く。一瞬しか発動していないのに、酷く怠い。
「貴方ですか?例の盗人は」
「お前、何かしてるにゃ?」
「それを漏らして、何の得になりますか?」
違いない。ただ、見当は付いている。会話をしているのは、デボラさんの治療時間を稼ぐためだ。
奴の方は良く見ていない。ただ、詠唱はなかったはずだ。無詠唱でも使え、かつ魔法の発動を悟られないようにする魔法は、そうない。
「魔法障壁」なら、発動が分かるだろう。それが反射効果まで持つものなら、なおさらだ。それを無詠唱で行うのは、御主人ですら無理だ。
つまり、奴が使っているのは……「目には目を(アイフォアアンアイ)」。自分が受けた傷を、相手にそのまま返す呪法だ。
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