魔王と魔法使いと失われた記憶
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457: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/22(木) 21:57:39.67 ID:D30CV/NDO


「そんなっっ!!!先生はっ、そんな人じゃっっ!!!」


教授が静かに首を振った。


「もはや確定的よ。『六連星』の背後には、『4勇者』の生き残り……『勇者』アルベルトと『大魔道士』クリスがいる。
『サンタヴィラの惨劇』が仕組まれたものなのは疑いない。そして、それによって彼らが守ろうとしたものを暴けば……世界は壊れる。少なくとも、彼らはそう考えてる」

「まあ、そもそも『魔王ケイン』が虚像だったとなれば、世界各地の魔族弾圧の正当性が失われるからな。それだけでも無茶苦茶なことにはなるだろう。
お前の『追憶』は、色々な意味であいつらには害悪でしかない。……認めたくないだろうが、それが現実だ」


教授とジャックさんの言葉に、私は何か言い返そうと口を動かした。……でも代わりに流れるのは言葉ではなく……涙だ。


そうだ。そんなことは、とっくに分かっていた。


でも、彼が私に向けた優しさは、嘘じゃなかった。間違いなく、本物の優しさだった。
あの日々は短かったけど、とても幸せな日々だった。


それを否定したくない。でも……私がこのままエリックと共に行くのだとすれば……先生と戦わなければならなくなる。
じゃあ、一人で戻るの?そうなれば、無力な私は殺される。


行くも退くもその先は……地獄だ。




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