235: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/13(日) 20:45:19.28 ID:Wb+JqVAEO
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小娘の姿と、その背後にいるクドラクを目にした時、俺は咄嗟にあの時のことを思い出していた。
本来、小娘が路地に逃げ込みクドラクがそれを追ってきたのを迎撃する予定だった。しかし、小娘の体力はもうもちそうもない。
全身が消えているはずのクドラクの右足だけが見えているのも奇妙だった。既に、戦闘は行われていると見るべきだった。
この作戦は、クドラクが見えないことを前提としたものだ。だが、姿が一部とは言え見えるのなら……攻撃方向を限定した、無差別攻撃は必要ない。
何より、もう一刻の猶予もない。小娘を死なせないためには……
ダッッッ!!!
今出るしかない。
「小娘、よくやった……あとは俺が殺る」
「エリック!!?」
俺は小娘を路地へと弾き飛ばす。クドラクは、すぐそこまで迫っていた。
剣を構え、小さく呟く。
「加速(アクセラレーション)10 音速剣」
短剣を薙ぐ。音速まで加速されたその素振りは、衝撃波となり前方にあるもの全てを破壊する。
効果は絶大だ。しかし、細かい狙いが付けられない。だからこそ、路地へと誘い込む手筈だった。
だが、大まかな場所さえ分かっていれば……問題はないっっ!!
ザンッッッッ!!!!!
見えない斬撃が家の壁を両断した。そして、クドラクは……後方へと吹っ飛ぶ。
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