226: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/11(金) 20:55:46.43 ID:n3eshWjqO
まだクドラクとの距離はある。でも、息切れが酷い。もう、体力は……限界だ。
「幻影の霧」を使おうにも、これじゃまともに詠唱なんてできやしない。その場に立ち止まれば、どんなにか楽か。
絶望が、私の身体を覆い、押し潰す。
「ワンッ、ワンッ!!!」
……犬?振り返ると、大型犬がクドラクの脚に噛み付こうとしていた。
「……え?」
「グッッッ!!?」
どういうことだろう?しかし、クドラクの脚は止まった。
今の隙に!!私は、最後の力を振り絞る。目的の袋小路が見えてきたっ!!
「ソコニナニカイルナッッ!!?」
ファリスさんが……いや、クドラクが叫ぶ声が聞こえる。私との距離は、もう10メドもない!!
路地の入口まで、残り5メド……間に合って、お願いっっ!!
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