魔王と魔法使いと失われた記憶
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193: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/04(金) 21:08:17.25 ID:p7BjaNK9O
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お医者様たちが帰って行くのを窓から見送り、私はベッドから起き上がった。
身体は鉛のように重い。お母様がかかったあの病は、私の命も奪おうとしていた。


それでも、やらなきゃいけない。お父様のために。そして、私のために。


私の身体は、生まれついて弱かった。お父様は、私を心配して私を極力外に出さずに育てた。
多分、そんなに長くは生きられないとお医者様も仰っていた。これが私の定めなのだと、どこか諦めたように日々を過ごしていた。


それが、20の誕生日に全て変わった。お母様が、私に託したものの正体を知ったからだ。


戦慄しなかったか、というと嘘になる。お母様がお父様のために多くの人を殺めたと知った時、私は心臓が止まりそうになった。
しかし、お母様はそうやって、お父様を支えてきたのだ。そして、お母様は私にその役割を託した。


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