樋口円香「──誠意を見せていただきましょうか」
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11:名無しNIPPER[sage]
2020/08/02(日) 22:38:51.25 ID:YkNVrYJ6o
ヒュッと背筋が伸びる。そこでようやく意識が思考の内側から外側へと戻ってきた。事務所の入口には今まさに考えていた樋口円香が立っていた。円香は「ふぅ」、と呆れたように溜め息を吐きだしてから、「仕方ない人」、と呟きながらソファに腰を掛けた。ふわりと隣から甘ったるい匂いが届いた。
それから左肩にふわふわの赤みを帯びた毛髪と、ほんの少しの体重がかかる。「もたれているわけではないです、少し置いているだけです。勘違いしないでください」、と円香が睨みを効かせてくるので、きっとそのとおりなんだろう。
「ああ、少し休憩し過ぎていたよ。ありがとう、円香」
ちょうど作業にも一段落がついて休憩をしていたところだったが、ついつい円香のことを考え込んでしまっていた。
当の本人に話しかけられたのには少し驚いた。
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