10:名無しNIPPER[saga]
2020/08/02(日) 21:54:12.71 ID:HnCLjJSc0
学校にいる間はざぁざぁと表現するべきだった雨も、
事務所へ辿り着く頃にはぽつぽつと呼ぶのが相応しいくらいの勢いにまで治まっていました。
玄関ロビーの自動ドアを潜った途端、目に飛び込んでくる立派な笹の前で、
何人かのアイドル達が賑やかに作業をしています。
その中に混ざっていた蘭子を見つけて、アーニャも混ざろうと近付こうとした途中、
異様な光景に彼女の体はぴたりと固まってしまいました。
出社したアーニャへ一番に気付いた蘭子は嬉しそうに、
ちょっと得意げな様子でぶんぶんと手招きを繰り返しています。
「おお、姫君よ! 荒ぶる雷神もようやく鉾を収めるようね!」
(アーニャちゃんっ、こっちー! どう? 雨、やんできたでしょー!)
「……ら、蘭子……? それ……」
「ククク……見よ、荒ぶる雷神をも黙らせる我らが儀式……!」
(えへへー。凄いでしょ。ほら、見てみてっ!)
ぷるぷると笹を指差しながら口を開けるアーニャへ、
蘭子は両手を広げながら、笹がよく見渡せるように道を開けました。
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