22:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/01(土) 18:32:52.22 ID:nI3QwB+a0
一人、部屋でうずくまっていると、水道の蛇口から漏れる水滴の音だけが聞こえてくる。
歌が歌えなくなってからは、ずっとこうしている。
優のために歌い続けないと・・・
そのためならなんでもする。
そう思っていたのに。
?「本当に?」
そう問いかける声が聞こえて、思わず顔を上げる。声の主はテレビに映った自分だった。
千早「何を・・・」
千早?「本気でそんな風に生きられると思っていたの?できないわよ、そんなこと。
戦いきれなくなったあなたは、今更になって言い訳を求めたのよ。
良かったじゃない、この病はあなたが望んだんでしょう?
『ショックで歌えなくなったから、仕方ないんだ。』
そういって、あの子のために歌い続ける道から逃れる言い訳を手に入れたんだから。」
千早「・・・うるさい」
千早?「認めなさいよ。嘘を認めて、諦めるの。
あの子はもう笑いかけてはくれないけれど、きっと許してはくれるわ。」
千早「うるさい!」
テレビのリモコンを私に向かって投げつける。
リモコンはテレビにぶつかって、床に落ちた。
私は優のために・・・
でも、どうすればいいの?
千早「もう分からない、分からないわよ・・・」
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