貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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841: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2021/07/22(木) 01:09:52.13 ID:ffQxHaM70
――――――



 走る。


 ちょっと油断してると魔女との距離は開く一方だし、遠くから鉄球をぶつけるにも距離が開けば開くほど威力は弱まる。

 もっとも、全力でぶん殴ってやった時にも大したダメージを与えた手応えは得られなかった。


あすみ「あぁ……ッ、クソ……!!」


 元々私は足が速くない。

 普段から身軽さよりも武器の威力を重視するスタイルだし、物理的にも発育不良気味の短い子供の手足じゃ速度が出るはずもなかった。

 それでも普段の戦闘では戦い方でカバーするから気にならなかった。今になってコンプレックスを刺激されて腹が立つ。


 こんなに苦戦する魔女なんてはじめてじゃないだろうか。久しぶりにイライラが湧き出てきた。


 ただ走るだけでは宙を飛ぶ魔女には追いつけない。

 街の脇に立つ電柱に鎖を伸ばして巻き付け、巻き取りながら一気に飛び上がる。

 平面で追いつけないなら立体的な動きを交えるしかなかった。


あすみ「うらッ!」


 距離を詰めたところでワルプルギスの夜に向けて鉄球を振りかぶり、叩き落としたところで、

 更に長く鎖を張って地面に縛り付けては魔女の歯車部分に乗ってガンガンと殴り続ける。


あすみ「壊れちゃえ! 壊れちゃえ! このガラクタッ!」


 これまでに何本のフレイルを無駄にしたんだろう。ストックには余裕があるものの消費も馬鹿になってない。


 ――下からこちらを覗いてくる魔女と目が合った。いや、正確には目はないが、見据えられたのがわかった。

 直後にほとばしる熱気。


あすみ「バカかったくね……なんなのこいつ。さすが伝説の魔女っていうだけあるか」


 退避には成功したものの結局はまた振り出し。

 追いかけて殴って、どれだけ効いてるのかもわからない。飽きかけてきたな、なんて思った時、向こうから声がした。


なぎさ「あすみ! やっぱりもう戦ってたのですね!」

まどか「わたしたちも一緒に戦うから!」

マミ「それにしても、こうして見るとすごい状況ね……」


 知ってる声の勢揃い。どうやらまだ抜けるわけにもいかなさそうだった。




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