貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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779: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2021/06/23(水) 21:57:37.45 ID:+atVmq5q0


 虹色に包まれた幻想的な景色を突き進む。


あすみ(勝負を仕掛けるなら――このタイミング!)


 途中で足を止めて鉄球を振りかぶると、破裂音とともに虹色は破れ、空気を裂くように鋭く正面へと鎖が伸びていく。

 小さく密度の高いシャボンは相手に届かせることを重視した牽制だろう。攻撃の勢いまで防げるものじゃない。

 一度勢いをつければ私が足を止めても鉄球は加速したまま前へ進む。うまくいけば一発で拘束を決めることもできるかもしれない。


 どうせシャボンはこれから増える一方。鉄球が当たれば簡単に破れるとしても、妨害にはうってつけの武器だ。囲まれるのは厄介。


あすみ(……なら、速いうちに)

なぎさ「あわわっ、思ったよりも強引に突破してこれるんですね〜……!?」


 なぎさは飛び退いて避けると、こちらに向けていたシャボンをその場に留めて守りを固め、さらにシャボンを追加してくる。

 さっきと同じ小さいシャボン。これならまだ次を打てる。


 そう思った瞬間、周りのシャボンが次々と弾けていく。小さいけれど、鎖を巻き込んで爆発されると狙い通りの軌道にならない。

 ……正直ちょっと、油断してた。鎖の軌道を曲げるほど的確に位置やら弾けるタイミングやら調整できると思ってなかったから。


あすみ「ま、こんなに早くは決まらないか」


 武器を引いて鉄球を戻す。その過程でもできるだけシャボンは破って“道”を作る。ますます囲まれたら厄介ってわかったし、それだけでも収穫としておこう。

 そして、鎖を巻取り――――鉄球が柄の先にカチリとはまる音がした。

 離れた位置から狙うには繊細なコントロールが必要だ。だったら、さらに自ら距離を詰めればいい。フレイルは最後の一手のためにとっておく。


あすみ「インファイトのがやっぱ燃えるでしょ?」


 さらに踏み込む。勝つのに必要なのは、自分のペースを作ること。

 それはなぎさにとっては相手をできるだけ多くのシャボンで囲って安全な位置まで遠ざかること――私は逆だ。

 中距離くらいまでなら戦えるが、なぎさの得意としてない接近戦に持ち込んだほうが隙は突ける。


 もちろんシャボンにも囲まれやすくはなる。でも、こんなのちまちまと破ってたらいつまでたっても勝てない。

 この戦い、長引かせたほうが不利になるのは最初に思った通りみたいだから。


あすみ(――それにしても)


 ――戦術を考えながらふと思った。いつもなら『聞こえてくるもの』が今はない。

 いくら遊びったって、『ミスしろ!』くらい思ってもいいもんなのに。


あすみ(久しぶりに静かな戦いだな)


――――――


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