貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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678: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2021/05/16(日) 20:12:27.06 ID:WA9aFN+R0


神父「――――どうしてこんなことをしたんだ!」


 ある日の教会は珍しく騒がしかった。

 まったくいい意味じゃない。神父が怒ってて、シスターが泣いてた。

 どうやら杏子が何か食べ物を盗んできたらしい。

 ……私からすればちっぽけな悪事だけど、神父にひっついて世の中を良くするだとかなんとか言ってたアイツが、ねえ。


神父「こんなことをして私達が喜ぶと思ったのか? 人様に迷惑をかけてまで腹を満たしたいなど思わない! もしバレなかったらどうするつもりだったのだ!?」

神父「私達の神はいつでも見ている。盗みを働き、嘘をつき、神を裏切ったまま平気な顔をして過ごすつもりだったのか!」

杏子「……」

モモ「お姉ちゃん……」

夫人「私は悲しいわ……杏子がこんなことをするようになるなんて……こんなことをさせてしまうなんて」


 私は冷めた目で見ていた。神なんていやしないし、ましてや助けてくれるわけがない。

 こんな場所だというのに、わかりやすいほどにそれが証明されていた。そりゃこんな場所に信者は増えない。

 やつれて見えたのは勘違いなどではなく、本当に限界だったのだ。もちろんそれは行動を起こした杏子に限ったことじゃない。


 ――でも本当に餓死したほうがマシ? プライドのために死ぬなんて馬鹿らしくない? 相手はそれで死ぬわけでもないのにさ。

 杏子の行動は綺麗事言って怒ってる神父サンより理解できた。なんの力もない人間がこの状況で、こうするしかなかったってわけだ。


神父「反省していなさい」

杏子「……はい」


 杏子は祈りのポーズでうつむいている。あれが懺悔とやらのつもりなんだろうか。

 なぎさならこんなカワイソウな家族を見れば、汚れのひとつもない魔法のケーキでもポンと差し出してやったりするだろうか?

 私にはそんなことはできない。



あすみ「なんかやらかしてきたの?」

杏子「……聞かれてたんだ。幻滅したよね。これじゃ父さんの教えを広める資格もない」

あすみ「そう? 私はよく知らないけどさー……バレないようにやればよかったのに」

杏子「あ――あんたも物盗んできたことあるの!?」

あすみ「さあねー」




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