貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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675: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2021/05/16(日) 00:00:53.56 ID:WA9aFN+R0



杏子「ただいまー! あ、今日も来てくれてるんだ」

あすみ「来ていいって言われたから来てるだけだよ。どこにいても暇なのは変わんないけど、同じ暇ならこのくらい人気がないほうが落ち着けるし」


 そう言うと、人気がないってのに引っかかったのか複雑そうな顔をする。


あすみ「……あぁ、皮肉言ったつもりはなかったんだけどね? 今日もまた布教とやらをしてきたの?」

杏子「まあそうなんだけど……ダメだったよ」

あすみ「そっか」

杏子「いきなり話しても怪しまれるから街で困ってる人がいたら助けて、そのついでに……っていうふうにしたんだけど、話そうとした途端逃げる人ばっかりで」

杏子「ひどい人だと暴言まで吐かれちゃって、ちょっと参ってきちゃったよ」

あすみ「まあー……そうだろうね」


 それは私だってそうする。

 関わり合いになりたくないと思えば必要以上にキツい言葉を言ってでも断って逃げる人がいるのもわかる。

 けど、善意を仇で返されるのはそりゃまあ堪えるだろう。


杏子「でもたしかに、下心ありきで助けるのは良くない気もしたんだ。どうしたらいいと思う?」

あすみ「私に聞かれてもな」

杏子「そこをなんとか! 信者じゃない人から意見を聞いてみたくて!」


 杏子が切実に頼んでくるものの、少し考えてみてもまともなアイデアは浮かばなかった。


あすみ「……敷居が高いのはしょうがないよ。断って逃げる人はどう接したって興味持たないだろうし、話に乗る人ってのは大体最初から興味を持ってる人だけだ」

あすみ「いきなり増えやしないよ、洗脳でもしない限りは」

杏子「魔法の力でもないと無理ってこと?」

あすみ「どうかな、現実的にも洗脳ってあるもんだよ? 拉致って囲んで信じるまで説得する宗教団体もあるって聞くけど」

杏子「そんなのがしたいわけじゃないよ。うちはそんなのとは違うし!」

あすみ「……魔法だったらクリーンなわけでもないでしょ」


 取り繕っても仕方ないと率直に言ってやれば、杏子は目に見えて落胆した。

 そこに、「無理を言って困らせるものじゃない」とやりとりを見ていた神父がなだめに入る。



 ……よく見れば、みんな最初に見た時よりもやつれていた。




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