貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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567: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2021/03/24(水) 23:33:49.36 ID:M7lmf0rA0


 夕食を食べ終わった頃、なぎさは少しウトウトとしかけていました。

 このまま眠ってしまったら気持ちよさそうですが、今はお客さんも来てますし、お父さんが帰る前に寝たくはありません。


「眠くなっちゃった?」

なぎさ「ん〜、まだそんな時間じゃないのに……ちょっとお水を取ってくるのです」

なぎさ「――――うわっ!?」


 椅子から立ち上がろうとしたのですが、転んでしまいました。

 奇妙な感覚でした。どこにぶつけたわけでもなく、足から力が抜けるようにして崩れたのです。

 ただ眠いだけではこんなふうにはならないと思うのですが……。


なぎさ「いたた……あれ? 何か、おかしい……」

「横になってくれば?」

なぎさ「い、いえ。――……そうだ、治癒魔法を!」

「……ねえ、やっぱりなぎさちゃんは『小さい子』だよ」

なぎさ「え?」

「ダメじゃない。知らないおねーさんに着いてっちゃって、そのうえ知らない人の作ったお料理食べてるんだもん」

「でも、ヘンにマセてるより子供は馬鹿で素直なほうがカワイイと思うよ? なぎさちゃんは悪い子だけど、良い子だね」

なぎさ「ど、どういう意味……なのです?」


 立ち上がろうとしても力がうまく入りません。


「小さいから回りも早いよね。そうして段々感覚もなくなって……最期は眠るように死んじゃうんだ〜」

「『優しい』毒でしょ? 痛みもなく気づかれないままソウルジェムを蝕んで殺すの」

「たっぷり時間を稼げてよかったよ。本当は看取るまでしたかったんだけど……治癒されたら困るものね」

なぎさ「毒……って、まさか……!?」

「料理だけじゃないよ? 毒は二つあるの。一つはさっきの料理に……もう一つはこの空気全体に溶けた霧に」

「毒霧のほうはソウルジェムを蝕み、ついでに魔力を察知する能力を鈍らせる毒。そのおかげで魔法なんて使ってたこと気づかなかったでしょ?」

「料理に使ったのは身体と感覚を麻痺させる毒。毒霧だけでも似たような事は出来るけど、効きを確かめづらいしちょっと時間かかるから」

なぎさ「な、なんで……そんな……契約したてでなにもわからないって……」


 そう言うと、おねーさんはくすくすと笑いはじめました。


「そんなのまだ信じてたなんて! 油断させるための嘘に決まってるのに! 簡単に信じちゃうから〜、なぎさちゃんは小さい子なの」

なぎさ「……!」



――――――


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