612: ◆CpUz7d.S3o[saga]
2020/08/21(金) 17:03:14.56 ID:Ix+EQmkdo
開拓者「おかしい……旗が上がらないぞ」
機動力を失った竜騎兵はまだ敵に銃口を向けている。
降参の意思がないことは明白だった。
しかしリボルバーの連射は容赦なく竜騎兵を襲う。
銃弾に銃弾を当てられるほどの腕前の射撃だ。何発も被弾し、ライフルも弾き飛ばされた。
写真家「一瞬、期待しちゃいましたけど……もう……」
うずくまる竜騎兵は片手を掲げ……
竜騎兵「翔べ! 我が相棒よ!」
降参せず、そう命じた。
エージェントの脚力は、馬の速さに匹敵し、空気を蹴って空を跳ぶことすら可能だ。
鍛え上げた人間はこれほどまでに超人的な力を得るのだ。
それでは、鍛え上げた馬ならどうなるか――
竜騎兵(貴君が連射可能な弾丸は6発……相棒を今撃つことはできまい!)
もはや壁を蹴ってジグザグに移動することもできない。身を隠すための遮蔽物も無い。
主人の重量から解き放たれ、空を翔ける馬の速さたるや、銃弾……いや、砲弾そのもの。
エージェントはあえなく蹴り落とされる。
突き進む馬はそのまま観客席のバリアを蹴り、闘技場の上空を舞った。
観客A「すげぇ……跳んだところの地面が陥没してる」
観客B「カッコいい……空飛ぶドラゴンみたい……!」
クレーターの中央で動かなくなっているエージェントを確認すると、審判は旗を振り上げた。
使者「勝者、牧場の町!!」
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