590: ◆CpUz7d.S3o[saga]
2020/08/18(火) 18:58:59.21 ID:s3g0Vkofo
天文の町はその名の通り、天文台があることで知られる町だ。
天文台ではかつては占星術師が暦を作り、現代では宇宙物理学者が日進月歩で研究を行っている。
しかしこの町では昔からその研究の方向がどこかずれていた。
具体的に言うと、人間の秘めた潜在能力に着目したのだ。
運命論……魔術……呪い……体内時計……磁覚……上位存在や宇宙知的生命体との念話による交信……。
子供たちはそうした特殊能力の訓練をすることが義務付けられている。
ここは非科学の最先端。
弟子「……すげぇ趣味の悪い町を作ったんだな」
開拓者「人聞きが悪い。ここは俺の作った町じゃないぞ」
開拓者「現在の常識で見ると不気味だが、かつてはこの町こそが学問の都だったんだろう」
開拓者「才能を持って生まれた能力者を見て、努力すれば誰でも能力が使えるようになると思い込み続ける……ある意味で残酷なことだ」
超常現象研究所。
研究員A「精神強度1.53md/rl。干渉指数P=150。天性の覚醒者です」
研究員B「素晴らしい。小学校の首席卒業者レベルだ」
謎のヘルメットを被らされた弟子は、サイキックであることが発覚した。
弟子「褒められてるのか貶されてるのか分からない」
開拓者「おや、この杖はたしか、マナに反応して音が鳴る魔力検知機だったな」
研究員B「ご存じでしたか」
開拓者「握ると魔法の才能があるかどうかが分かるんだろう。前に使ったことがある」
弟子「へえ」ビーッ
研究員A「音が鳴りました。一定の魔力が体内に蓄えられています」
開拓者「お前は何をしても才能があふれ出るのか……」
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