60:名無しNIPPER[saga]
2020/07/02(木) 22:58:08.06 ID:0AxqYuWp0
「アンタたちどうしてくれるんだ!おかげで全部台無しじゃないか!」
「台無しとはおかしなことを言いますね。元々はあなたが勝手に盗作しただけの話じゃないですか。自業自得ですよ。」
「自業自得だと?ふざけるな!これは俺に訪れた奇跡だったんだ!」
それから哲平はこれまでのことを語りだした。幼い頃から漫画家を志て学校を卒業後はこの東京へと上京した。
だがこの4年間はいつまで経っても努力は報われなかった。
プロの漫画家のアシスタントやアルバイトで生計を立て食費も切り詰めながら漫画家人生を夢見て生活を送ってきた。
どれだけ漫画を描いても担当の菊瀬によってボツにされてきた。
それがようやく叶おうとしたというのにすべて台無しにされた怒りは相当のものだった。
「ところでわからないことがあります。何故そこまで必死だったのですか。」
「は?何を言ってるんだよ。」
「確かに4年間芽が出なかったのは事実です。ですが何故ここに来てあなたはそんなに焦っていたのですか?
原稿をボツにされたその翌日にあなたは送られてきたホワイトナイトを写した。
写すだけでも相当な労力があるはずです。それをひと晩かけて行った理由は何ですか。」
「それは…俺が25歳を迎えるからで…だから連載を…星を掴みたかったんだ…」
そう、哲平はホワイトナイトの読み切りを掲載した頃に25歳を迎えた。
夢を追う者なら誰もが25歳までになんらかの成果を挙げたいと望む。
哲平もそのうちの一人だった。だからこそホワイトナイトを盗作してまでジャンプでの連載を望んでいた。
「…つまり全部あなたの都合だったわけですか。ハッキリ言って実に身勝手な行いです。」
だが哲平の事情を知った右京からは単なる身勝手だとバッサリ切り捨てられた。
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