58:名無しNIPPER[saga]
2020/07/02(木) 22:55:24.93 ID:0AxqYuWp0
「なんてことをしてくれたんだッ!」
携帯から突然怒鳴り声が響いた。
哲平は思わず耳を塞いでしまうがこの声には聞き覚えがある。
以前まで自分の担当をしていた少年ジャンプ編集部の菊瀬だ。
「菊瀬さん…どうして…」
「刑事さんから聞いたぞ!ホワイトナイトは盗作だったそうだな!」
まさか…バレたとは…
すぐに哲平は右京と冠城を睨みつけるがそんなことをしている場合ではない。
一刻も早く弁解しなければならなかった。
「これは…誤解なんです…話を聞いてください…」
「ふざけるな!何が誤解だ!ずっとおかしいと思っていたんだ。
これまで中身空っぽだったお前がある日突然作風の異なった漫画を持ってきた。
こんなの盗作したに決まっているだろ!」
「だからこれには事情が…」
「そんな言い訳聞きたくもない。今は編集部も対応に追われている。一刻も早く謝罪文を載せなきゃいけないんだぞ!」
謝罪文と…菊瀬が何を言っているのか哲平はまったく訳がわからなかった。
「当然でしょう。大手出版社が盗作を載せてしまった。
謝罪文を出さなければ被害者の伊月さんや読者のみなさんに示しがつきませんよ。」
右京が補足するように説明してくれたが今の哲平にはそんなことは頭に入らなかった。
この件を秘密にしたくてもそんなことは出来やしない。
何故なら部外者の…それも警察の右京たちにカラクリを暴かれてしまったからだ。
だがこのまま黙っているわけにもいかない。とにかく誤解を解かなければと必死だった。
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