ロード・エルメロイU世「最初からそれがお望みだろう、レディ?」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/15(月) 22:37:11.57 ID:uimHEu7hO
「しかし、我が兄よ」
「む。なんだね、レディ」
「我が兄は些か欲が無さすぎる」

気持ち良さげに講義を続ける酔っ払いロード・エルメロイII世に付き合うのも義妹の役目かも知れないが、私はサディストである。
今度はこちらの番と言わんばかりに、義兄の至らないところを指摘してやる。

「話を聞くところによると、我が兄が極東の冬木の地にて召喚した征服王は強欲の塊のような男であったのだろう?」
「たしかに、あいつは欲望の塊だったな」
「それを目指すというのならば、義兄もそれ相応の欲を持つべきではないかな?」
「ふむ、一理ある。だが、それ相応の欲とはなんだ? 何を望めば奴のように成れる?」
「たとえば、時計塔の女を1人残らず抱く、とか。そんな野望は如何かな、ロード?」
「ぶほっ!?」

吹き出した義兄を見て私は歓喜する。
素晴らしい反応だ。これが見たかった。
苦虫を噛み潰したような義兄の顔を見ながら、貴腐ワインを嗜む。まさに至福である。

この瞬間のために、高価な酒を仕入れた。
少しばかり借金は嵩んだが、それを返済するのは私ではなく、この義兄の役目だ。

私は義妹らしくお兄様に甘えるのみである。


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