36: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:25:11.17 ID:BHjCA0Mo0
「すみませーん。」
入り口からお客さんの呼ぶ声がしたので、助かったと言わんばかりに早足でそちらに向かう。女性1名のお客様ですね、かしこまりました。
席に案内してメニューを渡す。女性はこちらを見てニコニコと笑顔だ。やたらジーっと見てくるので、めちゃくちゃ気恥ずかしい。直視できないのだけど、多分かなり可愛い人だし。
「コーヒーとパンケーキお願いします。」
注文を受け、視線から逃げるように厨房へ向かう。厨房では、ニヤニヤと俺に変な視線を送ってくるマスターが待ち構えていた。なんなのこれ?なんでみんな俺に変な視線を浴びせてくるの?
「あのお客さん、随分陸君のことじーっと見てたよ。それに今もこっち見てる。しかもニコニコだねー。これは怪しいねー。」
怪しがっている割には、声が嬉しそうなマスター。コイバナ大好き中学生の心に、また火がついてしまったみたいだ。
「隅子さんが来ないと思ったら、あのニコニコさんが来て、あー三角関係ってやつ?陸君ダメだよ修羅場は。」
マスターの中ではかなり話が進んでるようで、なぜかサスペンスめいた内容になってきてるようだった。まってニコニコさんってあの人のあだ名ですか?またセンスがない。ともかく、隅子さんはアレだけど、あの人のこと俺全然知らないんですって。
マスターは2時間サスペンスのテーマを鼻歌で歌いながら、コーヒーとパンケーキを用意し始めた。いややめてくださいお願いします、縁起でもない。
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