14: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 21:44:37.73 ID:BHjCA0Mo0
「じゃあ陸君、今月のお給料。」
今日の営業も終わり、店の掃除もそろそろ終わりに差し掛かった頃、マスターから声がかかった。マスターのところに行き、給与明細の入った封筒をもらう。
「陸君ほんとに頑張ってくれてるから、上乗せしておいたよ。」
マスターはそう言って、早く開けて見てみろと言わんばかりにドヤ顔をするので、封筒を開けて明細を見る。「おぉ」と思わず声を漏らしてしまうほど、給料が上乗せされていた。素直に嬉しいのだけど、やや罪悪感も生まれてきたのでマスターに問う。
「これホントにいいんですか?」
マスターは上機嫌で言葉を返す。
「あぁ、陸君がバイトに入ってくれてから、マダムから若い女の子までホントたくさんのお客さんが来るんだよ。噂になってるらしいよ、イケメンがコーヒーを運んでくれる小さな喫茶店って。」
あくまで一般人の俺は、そこまで話題になるような人物ではないと思うのだが、このお店に貢献できているのは嬉しい。それに、下世話だが、やっぱりバイト代を上乗せしてもらえたのは格別の嬉しさだ。明細を見ながらホクホクしていると、マスターが優しい声で俺に告げた。
「陸君、頑張ってくれてるのは嬉しいんだけどね、私は時々心配になるんだよ。」
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