【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 7巡目
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843: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2020/06/27(土) 00:00:52.93 ID:ZX71vR3K0
幕間 リィとバレリア


リィ「……バレリアくんは気にしないの?」

バレリア「…………はぁ、何をでしょうか」

職員室隣の席の机に座っているバレリア先生にぼんやりと声をリィはかける。

因みにこれは八回目の声掛けだった、棒つきキャンディをペロペロと舐めながら返答を求める圧の視線が、バレリアくんの守りを打ち砕いたのだ!

バレリア「凡人は凡人らしく凡人同士でレベルの低さを気にしたほうが良いと思いますが」

リィ「バレリアくんは自分のことを落ちこぼれとか言ってるのにー? よくないよ本当にーそういうのー!」

バレリア「……ふっ」

鼻で笑われちゃったけど、これくらいでぷんすこぷんぷん怒っていたらこの学校で教師なんてやっていられない。

リィ「あー! 鼻で笑った!? リィのこと鼻で笑った!?」

バレリア「貴女、色々矛盾していますよ」

リィ「……?」

鼻息の次はため息だった、それも特大の。

リィ「こっちの箒飛行学は万年受講する生徒がワースト二位! なんで、なんで皆箒に乗ろうとしないの!?」

バレリア「凡人でもデフォルトで空を飛べる生徒が居るからじゃないですか」

リィ「人間とかエルフはデフォルトで空飛べないじゃーん!!! ああもう! リィだって箒飛行が特別得意ってわけじゃないけどー! 楽しいでしょ! 箒で空飛ぶのー!」

飴の棒をゴミ箱に投げ捨てて、机の引き出しから新しい棒つきキャンディを取り出す。

バレリア「……大体授業の受講生の人数で一喜一憂するところがおかしいんですよ。寝台の魔術師の方々はそのようなくだらなく低次元な悩みは抱えませんでしたよ」

リィ「バレリアくんの授業はワースト一位でしょ!!!」

バレリア「本当に、凡人なら凡人らしく少しでも神代に近づくべきだというのに凡人生徒どもは……取捨選択すら出来ないとは、哀れで仕方がありません」

いや、古代異種文字学は人気があるよ!

けどバレリアくんの人気がマイナスに極振りされてるから人がいないんだよ!!!

リィ「兎に角! 兎にも角にも二進も三進も! もっとリィとバレリアくんは受講生を増やす努力をしないといけないんだよ!」

バレリア「……………………」

心底興味のなさそう顔! けど関係ないもん!


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