32: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:23:23.52 ID:5z9OpdEU0
>>31
誤字ったのでもういちど
「…まり、もし良ければなんだが…このまま私の仕事を手伝って貰えないか?」
33: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:23:50.27 ID:5z9OpdEU0
――家と逆の方向に進んでいることを告げる森浦と紅の声で引き返したのは100メートルほど進んでからであった。
34: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:24:24.12 ID:5z9OpdEU0
――
――――
――――――
35: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:25:30.12 ID:5z9OpdEU0
――センザキの中心部は、戦争難民が大量に流入して築いたスラム街である。
この区域を中心に数々の犯罪組織が巣食い、“闇の繁華街”センザキを形成した。
森浦の住居はそんなスラム街の一角にある。
36: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:26:25.73 ID:5z9OpdEU0
「こんな場所で恐縮ですが…紅さんはイカがお好きと伺いましたので…」
森浦が台所から料理と酒を運んで来る。
皿には焼いたイカを緑のタレで和え、香草のようなものを散らしたものが盛られている。
37: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:26:59.66 ID:5z9OpdEU0
ぺこぺこと頭を下げながら酒を勧めようとする森浦を紅が手で制する。
「すみませんが、仕事中は…」
「ああ済みません、いつもの癖で…」
38: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:27:49.21 ID:5z9OpdEU0
紅の隣に座ったまりがニヤニヤと笑みを浮かべながら紅を見つめている。
「…なにか変なことを思い出してるんじゃないだろうな」
「い〜えっ♪ぜんぜんそんなことありませんよっ♪」
39: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:28:21.84 ID:5z9OpdEU0
紅は酒に弱いわけではないが、飲みすぎると泣き上戸になる癖がある。
普段のクールさが嘘のようにめそめそと語りだし、誰彼構わず愚痴をこぼしまくる。
まりは1年前の事件でそれを目にしたことを思い出していたのだ。
40: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:29:02.58 ID:5z9OpdEU0
「やっぱりなにか思い出してるだろう」
「そんなことないですよ〜♪」
まりは紅をはぐらかしながら皿の上のイカに箸を伸ばし、ぱくりと頬張った。
41: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 17:29:39.25 ID:5z9OpdEU0
紅はまだ憮然とした様子でまりを睨んでいたが、やがて小さくため息をつき、森浦に向き直った。
「森浦さん、そろそろ…」
「……はい。依頼というのは他でもありません…。私の娘を探して頂きたいのです」
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