126: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:44:19.74 ID:5z9OpdEU0
狂一の背筋が凍った。
自分を覗き込んだ弟の視線――声――どちらも人間のものとは思えなかった。
恐ろしく冷たい――まさに機械のような――。
127: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:44:49.36 ID:5z9OpdEU0
「俺…撮影のときはずっとカメラマンだったろ…。たまには俺にもヤらせてくれって何度も頼んだけどさ…。兄貴、一回も耳を貸してくれなかったよな…」
「な、んだよ…なん、で、いま…」
「女をひっかけて来るのは俺なのにさ…。でも兄貴強いから…。いっつも最後は力で脅してさ…。だから強くなることにしたんだよ…俺も」
128: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:45:22.97 ID:5z9OpdEU0
「があっ!?」
狂二の手に力がこもる。
「すげーだろ?実はもう脳以外は全部機械なんだぜ…俺…」
129: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:46:40.33 ID:5z9OpdEU0
「あっ、あっ」
狂一が魚のように口をぱくぱく動かしている。顔がうっ血し、目玉が飛び出しそうだ。
「なのにさ…。あんなオヤジに見つかったからって美春を殺しやがって…。なにが証拠隠滅だ…。今更足がつくワケねえだろが…。」
130: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:47:20.86 ID:5z9OpdEU0
バギャッ。
狂一の頭部が粉砕された。
131: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:49:16.94 ID:5z9OpdEU0
「……………」
狂二は、手に残された兄の脳漿をじっと見つめ――
「…………………………ハッ」
132: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:51:23.47 ID:5z9OpdEU0
(くそっ…サイボーグだったのか…。油断した…!)
巨大な岩盤の陰で、紅が腹の痛みを必死でこらえながら様子を覗っている。
「だ、大丈夫ですか…?」
133: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:52:21.10 ID:5z9OpdEU0
「紅さん」
「なんだ…?」
「私に、考えがあります」
134: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:53:33.93 ID:5z9OpdEU0
ドクン。
まりを振り返った紅の心臓が激しく収縮した。
眼鏡の奥の瞳が鋭い輝きを放っている。
135: ◆H5MbwxPKRo[sage]
2020/05/16(土) 18:54:38.81 ID:5z9OpdEU0
(いや、違う…。私は…。私は、このまりを知っている…)
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