ターニャ・フォン・デグレチャフ「自動、手記人形……だと?」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/09(土) 23:42:59.45 ID:PWWmuiJvO
「ためしに一筆、書いてみてくれ」
「はい。わかりました」

カタカタとタイプを打つ音が響く。
驚くべきはその打鍵の速さだ。
淀みなく義手の指先が動き、書き上げた。

「出来ました」
「どれどれ……これは」

少佐は出来た手紙を読んで、閉口した。

「どうしましたか?」
「読んでみろ」
「拝啓、参謀本部殿。戦線は破綻寸前であり、即時後退許可を願います。かしこ」
「そんな文章なら私でも打てる」

そしてそれが通れば苦労はしないのである。

「もっと情に訴える必要がある」
「なるほど」
「君は依頼者の心を汲み取る自動手記人形なのだろう? どうにかして我々を救ってくれ。頼む」

既に軍属ではない彼女に階級など関係ない。
少佐もまたひとりの少女として頭を下げた。
ターニャとして、ヴァイオレットに頼んだ。


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