アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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2: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 19:44:45.73 ID:z3oD1mZbo
至極真面目な顔して。
真っ直ぐオレのこと見て。
そうやって、言ったんだ。まさかそんなこと言う人がオレのUFO目撃談全否定とか思わなくって、オレもつい笑い声を漏らしてしまった。

趣味が映画鑑賞、サイエンス・フィクションを愛した、虚言と夢を織り交ぜた話術を得意とする平子さんらしからぬセリフだったと、オレは勝手に思ってた。
声色は変わらないままだ。いつも通りなのに、突然そんな身の翻し方。隣で話を聞いている作家さんもにわかにその熱量には気づいているけれど、きっといつものネタみたいなもんかと思っているようだった。
近くにいる人ですらこうだからこの雰囲気の変わりよう、「ああ、はいはい。またいつもの平子りね」的な流され方してリスナーにゃあバレないだろう。
だけど、対峙したオレはめちゃくちゃ怖ェなって思いながらそれを聞いている。
その目が、声が、言葉が。余りにも必死すぎんだろと、言葉の端々から、なんかおかしいなって色を感じて内臓をさわさわ触られてるような気分になっている。

「え、いやそれオレが防衛省でUFO見た話と同じようなもんでしょ」

ぽろり、オレの唇から声。
そう、いつか昔に語ったオレの話と全く同じような信憑性。誰もが信用しないであろう与太話。
───いやぁ、アンタの中で未確認生命体がいるってことなら、未確認飛行物体だっていんじゃねえかよ。と思ったけど。
オレの感情を潰すように続く言葉。

「いや、違うでしょ。だって世の中全部、深海からなにから全部見たんかい?それやってねえのに居ないなんてのは決めつけよ、短絡的短絡的短絡的」

勿論ネタも入ってっかもしんない、けどどこまでガチなんか全然分かんない口振りでアンタは言ったよな。
しかも最後の短絡的の連呼をめちゃめちゃ早口で三回も、三回も!オレそんなに短絡的思考してました?そんなに言わねえでくれよ!


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