俺は愚かな男だった
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14:名無しNIPPER
2020/05/07(木) 23:14:41.48 ID:cI+RkD3IO
林田さんは俺に新たな課題を与えた。

将来の目標とか夢とか、特に考えてこなかった罰のような気がした。考えてなかったというのは間違いで、正しくは現実的に思えなかったというのが正確な気がする。

そもそも俺と同じ高校一年生で、将来の目標が明確なやつってどれくらいいるのだろうか。

子どもの頃は、夢とか目標とかいっぱいあった気がする。スポーツ選手に医者か弁護士か車屋さんか何か、憧れているものっていっぱいあって、それになるんだと信じて疑っていなかった。

でも、だんだん歳をとってしまうと、そういうものって限られてくる。年齢を重ねるほど、人生の可能性って狭まってくる。幼稚園児の俺がノーベル賞を取りたいって言うのと今の俺が言うのでは、大人の反応だって変わってくるだろう。

だから、夢を語ることは難しい。なりたいものを明言するのって、怖い。

それだけ自分の可能性が狭まっていると思い知らされそうで。

でも、だからこそ夏祭りの日の林田さんと西口さんの話は俺に何かを与えた。衝撃か、感銘か、あるいは動揺か。何と表現するのが正しいかわからないけれど、やはり彼女はかっこよかった。綺麗だった。

なりたいものが何とは今挙げることができなくても、二人みたいになりたいなとは思った。

夢を語れる人間になりたいと。夢を追いかけられる人間になりたいと。


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