樋口円香「心地よく」-SS速報VIP

樋口円香「心地よく」

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2:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:28:54.33 ID:/T0Ck7Xb0
「……いい香り」と、円香は囁くように言いました。

円香は、ヒヤシンスに近づくと、反り返った花びらにそっと触れました。

青い花びらが揺れるその様は、どこか喜んでいるようにも見えたのです。

以下略 AAS

3:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:33:10.71 ID:/T0Ck7Xb0
「綺麗かろ～」

「……！？」

突然、後ろから響いた朗らかな声に、円香は思わず固まりました。

以下略 AAS

4:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:37:35.29 ID:/T0Ck7Xb0
「おはよ～！そのヒヤシンス綺麗かよね～」と、恋鐘は言うと、鉢の高さまで身体を屈めました。

「はい。もしかして、恋鐘さんがお世話されているんですか？」

「ん～～、うちも水あげたりすることはあるけど、一番見とるのは霧子やね！」

以下略 AAS

5:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:41:23.68 ID:/T0Ck7Xb0
「ええ…、それより恋鐘さん、そろそろ出ないとレッスンに遅れますよ」と、円香は時計を指差しながら言いました。

「ふぇ～～、急がんと今日の先生はばり厳しか先生やった……！」

恋鐘は、バタバタと音を立てながら大慌てでレッスン室へ向かいました。

以下略 AAS

6:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:45:17.27 ID:/T0Ck7Xb0
さて、ボイストレーニングが始まりました。

レッスンスタジオには、円香と恋鐘、トレーナーが揃って張り詰めた空気が流れていました。

入念にストレッチをすると、順番に指導を受けます。

以下略 AAS

7:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:48:53.89 ID:/T0Ck7Xb0
すると、トレーナーがピアノを弾く手を止めて言いました。

「月岡、ちょっとストップ」

「今日の歌い方、ずいぶん力んでいるように見えるがどうかしたのか？」と、続けます。

以下略 AAS

8:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:53:05.28 ID:/T0Ck7Xb0
「よし。月岡は一旦基礎をしよう。樋口も手伝ってやってくれ」と、言うと円香の方に視線を送りました。

その時、円香は髪の毛をクルクルと指に巻きながら様子を眺めていました。

しかし、すぐさま手を離し、少し早歩きで恋鐘のもとへと向かいました。

以下略 AAS

9:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 21:57:09.08 ID:/T0Ck7Xb0
「～♪～♪」

時計の針が一回りしたころ、室内には、恋鐘と円香の歌声が響き渡りました。

「うん。月岡も大丈夫そうだな」と、トレーナーは安どの表情を浮かべました。

以下略 AAS

10:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 22:00:51.33 ID:/T0Ck7Xb0
「あの先生からあげなふうに褒められるとか、円香はすごか～」

着替えも終わった廊下で、恋鐘は身を乗り出すように円香に言いました。

「いえ……、ありがとうございます」と、円香は返事をしました。

以下略 AAS

11:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 22:05:31.80 ID:/T0Ck7Xb0
恋鐘は、スマホに目をやりながら少し考えてから言いました。

「ねぇ円香。このあと結華とお茶するとやけど、よかったら一緒にどげん？」

「いえ、このあとは少し予定があるので……。すみません」と、円香は言いました。

以下略 AAS

12:名無しNIPPER[saga]
2020/04/27(月) 22:09:28.15 ID:/T0Ck7Xb0
その夜、円香は薄明かりの自室で日誌を書いていました。

幼馴染が始めたと聞いた日誌。

試しに書いてみると、その日の出来事や課題が明確になり、それ以来続けています。

以下略 AAS

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