もしもし、そこの加蓮さん。
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296:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 23:53:44.72 ID:7gnP6kF90

本日の午後に講堂で開かれる予定のミニライブは、
加蓮たっての希望で実現したものです。

宣伝と言えば院内の掲示板に貼られた簡素なチラシぐらいではありましたが、
加蓮に美嘉に卯月にと、
取ろうとすればなかなかの額が動きそうなメンバーが揃っています。
もちろんロハですが。


 「ちょっち早かったかなー」

腕時計を確認すると、待ち合わせの約束まではまだ時間がありました。
前庭に揺れる木陰の下にベンチを見つけ、加蓮はのんびりと腰を落ち着けます。
葉擦れの音が眠気を誘うような、気持ちの良い春の午後でした。

目を閉じて、彼女はしばらく風の音色を楽しみました。
背中の半ばまで伸ばした髪が気ままに揺れます。


ふと、彼女が何かを思い出したように目を開けます。
すぐ隣に向けて、柔らかく微笑みかけました。


 「ありがと」


ただのひとり言か、それとも詩的に風へ語り掛けたのか。
彼女はそう礼を述べると、また心地良さそうに目を細めながら前を向きます。
応える者のない言葉は、ただ風に乗って溶けてゆくだけでした。


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