245:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 18:32:54.26 ID:7gnP6kF90
「いいよ。舞台裏って暗いよねって、何となく思っただけだから」
照明の落とされたステージの上、ベニヤとFRPで組み上げられたお城の裏。
僅かなフットライトだけが頼りの薄闇に立ち、
少女達は密やかに声を交わし合います。
「リラックスし過ぎでしょ、アンタ達」
「いいんじゃない? カッチコチになるよりはさ」
「まぁね。あ、そだ」
茶目っ気たっぷりのウィンクを飛ばし、美嘉が笑いました。
それから思い出したようにぴんと指を伸ばして、加蓮の肩を抱き寄せます。
「ウチの可愛い妹から伝言。
センターなんだから、とびっきりカッコよくキメてよね☆ ……だってさ★」
挑むような瞳に軽口を叩こうと唇を尖らせました。
次の瞬間に辺りが一段と暗くなって、客席の照明も絞られたのだと分かります。
そばで控えていた卯月が握った拳へ、加蓮はこくりと頷きます。
五人の少女達はアイドルへと変わりました。
揃いの衣装、”アクロス・ザ・スターズ”に身を包んだ四人が、
騎士のようにお姫様へと寄り添います。
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