もしもし、そこの加蓮さん。
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233:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 13:04:21.86 ID:7gnP6kF90

スリッパを履き、奏と共に病室を後にします。


今回も病院内は息を潜めるかのように静謐を湛えていて、
唯一違うのは一人分増えたスリッパの音だけでした。

いつものようにあちこちを歩き回る加蓮。
奏はそんな彼女の隣を静かに付き従います。


レントゲン室を出て、階段の所まで戻って来ました。
目を覚ました病室のある三階へと一歩を踏み出した時、奏が初めて口を開きます。

 「どうして戻るの?」



 「……え?」

どうしてと言われても、戻る場所は結局そこしか無いのです。
無いのですから、そこに戻るしかありません。

 「だって」

 「加蓮は、加蓮よ。貴女はもう、シンデレラなのに」


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