もしもし、そこの加蓮さん。
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215:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 22:46:09.49 ID:GVB5f6680


 「――っ!」


声にならない叫びを上げながら手を振り回しました。

床に叩き付けられたスマートフォンが震え続け、
表示された画面は午前七時を知らせてくれています。

肩で息を繰り返していると指先に軽い痛みが走ります。
スマートフォンを力の限り払い除けた衝撃か、
小指の爪の端はひび割れたように欠けていました。


加蓮の部屋の、加蓮のベッドの上。
壊れるまで使って捨てた携帯テレビなどある筈も無く、
そろそろ起きてくれと言わんばかりにアラームが鳴り響いているだけでした。

 「は……ぁ……」


小刻みに震える手を、もう片方の手で強く抑え込みます。
そうしていないと身体どころか、すぐに心まで震えてしまいそうでした。


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