181:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:53:11.23 ID:GVB5f6680
「奈緒のは……」
「……どしたの?」
二人が遠慮がちに首を傾げたように、
奈緒のお弁当はお世辞にも良い出来とは言えませんでした。
少し焦げ付いているミニハンバーグに、
米を詰めすぎたお蔭でひしゃげてしまった日の丸。
おかずのスペースは揺れで寄ってしまったのか、
小松菜の胡麻和えが申し訳無さそうに縮こまっています。
「へー。頑張ってるなぁ」
「頑張ってる……?」
「あぁ。実はウチのお母さん、ちょっと実家に寄っててさ。
お弁当作ってくれ、って頼んだら、試しにお父さんに作ってもらったら? って」
「じゃ、これ、お父さん作?」
「へへ、たぶん力作だな」
父の四苦八苦する姿を想像し、奈緒が表情を崩しました。
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