【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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9: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 08:35:12.84 ID:U1qw9Qt5O
お医者様が退室してから、さっそく僕はスマホで情報収集を始めた。
パジャマや財布なんかが入った袋の中へ、充電器とセットで詰め込まれていたのだ。
調べるのは二件。
「白井凛さん」の人となりと。
「佐藤等」が自殺した後、どうなったかだ。

「ロックの類はなし、か。良かった。んでTwwitterにLINEもあるね」

ひとまず入れてあるアプリを確かめてから、まずはTwwitterを起動させた。
タイムライン上にいるのは、当然ながら僕とは縁もゆかりもない「白井凛さん」の知人ばかり……かと思いきや。
たった一人、よく見知った人が。
というより、どうしてこの人が?

@Terianoww『設営完了しました。既刊・新刊ともに部数は十分あります。【アイ十
三】にてお待ちしております』八月二日、十時三十五分

「TERIA……さんの告知ツイート?」

そう、あの五万人以上ものフォロワーを抱え、昨日僕が自殺を図った時に「死んじゃ駄目ですっ!」と悲しんでくれたあのTERIAさんではないか。

「ってことは、もしや……」

凛さんのアカウント【バニラアイス】を開いて、自身をフォローしているユーザーを調べると。

「……そんなっ」

そこには予想通り、TERIAさんのアカウントがあったのだ。

「ぐっ……」

嫉妬の炎が、胸を焦がした。
彼もまた、TERIAさんから「認められた」二百五十人ほどのフォロワー達の一人なのか、と。
僕がどんなに焦がれても得られないものを、既に持っている特別な存在の一人なのか、と。


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