【鬼滅の刃】愛の言葉は私から【ぎゆしの】
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12:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:15:07.17 ID:33Pc5UOzO
「だけどね、夫婦っていうのは元々他人なの。そりゃあ冨岡くんとは前世からの知り合いで、気心だって知れているけど、それでもこんな風に悪口を言われ続けて耐えられるかしら?」
「悪口って…そんなつもりは…」
「そうね、そんなつもり無いわよね…けどね?しのぶがこの数分の間に言った言葉を思い出してみて?」
「この数分の?」


13:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:15:35.24 ID:33Pc5UOzO
「『もっとしっかりしてほしい』『どうしようもない』『なんでそうなるのかがわからない』」
「あっ…」
「ね?気づいたでしょう?」

 なるほど、こう聞くと私の話は義勇さんの悪口に他ならない。


14:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:16:12.36 ID:33Pc5UOzO
「そりゃあ一緒に暮らしてるんだもの。嫌なところの一つや二つはあるわよ。私だって実弥くんに思うところもあるもの。けどね、言い方や伝え方は気をつけなきゃダメよ?」
「うん…そうね…」
「たまには素直に『愛してる』って言ってあげてもいいんじゃない?」
「愛し…へ?」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:18:10.13 ID:33Pc5UOzO
「あら、私たちは結構頻繁に言ってるわよ?」
「嘘!?あの不死川先生が!?」

 姉さんが言っているのはあまり違和感はないが、あの強面なんてものじゃない不死川先生が言っている姿が想像できない。どんな顔をして言っているのだろうか。


16:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:18:40.91 ID:33Pc5UOzO
「だって言わないと伝わらないじゃない。私は必要だと思うわよ?」
「けど…そんなのがらじゃないし…」

 私だけじゃない。義勇さんだって私にそんなことを言われた日にはビックリして目を丸くするだろう。



17:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:19:16.76 ID:33Pc5UOzO
「あらそう、じゃあ無理強いはしないけど…」

 しかし、次の姉さんのセリフを聞いた時、私の中で時間が止まった。


18:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:19:45.42 ID:33Pc5UOzO
「知らないわよ?冨岡くんが誰かに取られても?」

 まるで脳みそを直接殴りつけられたような衝撃が私を襲った。取られる?誰が?誰に?どうして?そんなことを考えているうちにいつの間にか楽しいランチ会は終わっていた。



19:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:20:18.54 ID:33Pc5UOzO
「はぁ…」

 気がつくと私はいつもの家路についていた。早く家に帰らなければ。義勇さんが帰ってくる前にこの気持ちを整理しておかなければならない。


20:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:20:52.66 ID:33Pc5UOzO
「取られる…なんてこと…ないわよね?」

 ただでさえ無口で無愛想な義勇さんのことだ。私が告白した時だって、どれ程苦労したことか。前世での知り合いだなんて、何のアドバンテージにもならなかった。そもそも義勇さんは浮気ができるような性分ではない。けど…



21:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:22:08.91 ID:33Pc5UOzO
「もしも、本気だったら…?」

 それなら充分にあり得る話だ。思い返せば、私が素直だった瞬間なんて、前世を含めても告白したあの時くらいだ。それまでもそれからも、彼の優しさに甘えて冗談や嫌味を言ってからかってばかりだった。もしも、そんな女に嫌気が差してしまったら?


22:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:22:42.51 ID:33Pc5UOzO
「いや…いや…そんなの…いや…」

 考えれば考える程、嫌な方向に考えてしまう。

「よし…」
以下略 AAS



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