23:名無しNIPPER[saga]
2020/04/03(金) 19:42:49.86 ID:/ZuzgcCF0
それから時々、天海春香はレッスンを見に来た。
そのたびに私は不快な気持ちになった。
それを態度に出さないために余計に体力を使っているように思えて、気が滅入った。
ただやはり彼女は忙しいようで、レッスンへの参加時間も回数もあまり多くなかったことはありがたかった。
私は天海春香が来るたびに、早く帰ってくれることを願いながらレッスンを続けていた。
けど、一度だけ何かおかしな日があった。
その日は彼女が比較的長くレッスンに参加できた日で、一度だけ全員でダンスを合わせてみた。
私はもう、そのダンスは完璧に覚えていた。
自然と体が動く程度には。
だから、「踊りながら天海春香を観察してやろう」なんて、そんなことを考えた。
そんなことをしても不快になるだけだと知ってるくせに、
私はまた彼女が「普通」で「たいしたことない」のを確認しようとしていた。
けど、その日は何かおかしかった。
曲が終わった後……私は、何も覚えていなかった。
39Res/30.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20