王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
↓ 1- 覧 板 20
9: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2020/04/04(土) 22:23:05.47 ID:6soySUtb0
─2階廊下─
王馬「その部屋が気になるの?」
最原「いや…」
王馬「それとも気になるのは中にいる人の方かな」
最原「別にそんなんじゃないって」
王馬「ふーん、そっかそっか」ニヤッ
最原「帰る」
王馬「悪かったって。ほら、入るよ」ガチャ
─超高校級のピアニストの研究教室─
ポーン… ポーン…
王馬「お邪魔するよ。ピアノの練習中にごめんね」
赤松「別に練習してた訳ではないからいいよ」
最原「もしかして、黒板に書かれてるアレ?」
赤松「よく分かったね」
最原「黒板を見ながら鍵盤弾いてたら探偵じゃなくても分かるよ」
赤松「何かの曲って感じでもないし、アレってなんなんだろう」
最原「やっぱり暗号じゃない?」
王馬「なるほどねー、じゃあなんて意味なの」
最原「そこまでは…解らないけど」
王馬「探偵なのに?」
最原「音楽系は苦手なんだよ」ムッ
赤松「…何しに来たの?」
王馬「そうだ、すっかり忘れるとこだった。赤松ちゃん、オレがどこにいるか知らないかな」
赤松「ここにいると思うよ」
王馬「え?いないでしょ」キョロキョロ
赤松「宇宙は薔薇に似ているって、聞いた事無い?」
最原「いきなり話が飛んだね」
赤松「最後まで聞いてってば。…それって言い換えれば宇宙の中に宇宙と同じ形をした物が存在するって事だよね。そして、鯛の中には鯛の形に似た骨がある」
王馬「それなら知ってるよ。鯛中鯛だっけ」
赤松「こういった例を見るに…王馬くんは王馬くんの中にいるんじゃないの?」
最原「理屈は解ったけど、どうやって確かめればいいんだろう」
王馬「中を見てみるしか無さそうだね」
最原「その方法を思い付けないから言ってるんだよ」
王馬「あはは、中を見るなんて簡単じゃないか」ガシッ
最原「痛っ…王馬くん?なんで僕の頭を掴─」
次の瞬間、視界が大きくブレた。間も無く脳に衝撃が走って、目の前が真っ白になった。最初は何がなんだか判らなかったけど、痛みが引くにつれて徐々に理解する。
最原「……な、んで」
王馬「人間も宇宙や鯛と同じかどうか、最原ちゃんの中身を見て判断しようかなって」
王馬「オレは、オレを見付けるためだったらなんでもする覚悟ではあるよ?でも確証も無いのに痛い思いをするのは嫌だからさ」
王馬「ちょっとだけ我慢してね」
52Res/64.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20