王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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48: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2024/02/23(金) 22:45:55.16 ID:4yhwoek00
おまけ【赤松楓の証言】



赤松「うぐっ……あ、あれ?」

赤松(気付けば、私は真っ暗闇の中に立ち尽くしていた。たったさっきまで処刑を受けていたはずなのに)

赤松(まだ首の辺りが苦しいような気がして思わずネクタイを緩めた…けど、そこで初めて身体の感覚が失われている事を知った)

赤松(試しに手の甲を思い切り引っ掻いてみると、皮膚がまるで破いた包装紙みたいに剥けてしまった。それでいて痛みはおろか触覚さえ無いのが却って怖い)

赤松「私、死んだのかな」

赤松(ここは地獄なんだろうか。もしかすると暗がりをひとりぼっちで彷徨い続ける事こそが私に課せられた罰なのかも知れない)

赤松(…考えても答えは出なかった。私は途方も無い現状から逃げ惑うように、ゆらりゆらりと漂い始めていた)

赤松(揺蕩っている内に、いつの間にか大きな観音開きのドアの前に辿り着いた)

赤松「なんで、こんな所に?」

赤松(腕を伸ばすと、手応えこそ無かったもののあっさりドアが開いた)

赤松(その先は映画館のような場所だった)

赤松(スクリーンには憶えのある風景が映っている。早々にいなくなった私の場合、閉じ込められていた期間が短いからそう何度も見た訳じゃないけど、インパクトの大きいあの外観は頭に焼き付いていた)

赤松(廃墟と見紛いそうなほどボロボロの建造物、鬱蒼とした木立、最果ての壁、全てを遥か上空から覆う檻─あの映像はなんだろう?私が死んだ後の地上の様子を映しているのか、それとも、)

赤松「あ」

赤松(がらんとした劇場の中にたったひとり、誰かの姿を見付けた。座席の狭間から後頭部が覗いただけではあるけど、多分、きっと『彼』だ)

赤松(私は自ずと『彼』との距離を少しずつ詰めていた。接近するにつれ、置いてきたはずの心臓が激しく鼓動しているかのような錯覚を催してきた)

赤松(知らんぷりをするのは楽だけどそれだけじゃいけない、向き合わなきゃいけない、受け止めなきゃいけない…わたしの罪を)

???「…っ…」

赤松(血塗れの頭を抱えた『彼』がそこにいた。私は『彼』の名前を呼ぶ)

赤松「天海くん」

天海「あ゙ぁっ…!」

赤松(何を言おうかと躊躇した隙に、天海くんが勢いよく私の襟許を掴んだ)

天海「…ぅして…どうして…」

赤松(天海くんに謝らなくちゃならないのに声が出なかった。首が絞 まると、くび られた時の 息ぐるしさが よみ が えって、)



???「赤松さん!」


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